室内を整理して、老犬が過ごしやすい環境を作ろう
飼っている犬が年を取ると、以前のような軽やかな行動を取ることが難しくなってしまい、些細な問題が大きなトラブルへと発展することもあります。
どのような点を意識しながら室内を整備すれば、老犬が過ごしやすい環境を作ることができるのか、具体的な例を見ながらじっくりと解説していきましょう。
室内を整理して、老犬が過ごしやすい環境を作ろう
安全性の向上が最優先課題
イメージしている通りに体が動かなくなってしまうことが老犬にとって一番のリスクですから、まずは安全面の向上を最優先課題に据えて部屋の環境を改善させましょう。
老犬にとって特に危険な場所になるのが段差ですから、自由に階段に出られないように柵を作ったり、高い段には踏み台を設けたりすることでリスクを取り除きます。
例えばソファーの上で寝ることが気に入っているのであれば、ソファーと床の間にクッションを設置して、柔らかいステップ台を設けると移動の際の負担を軽減させられます。
部屋の角などに出っ張っている柱があるという場合には、角にぶつかって怪我をしてしまわないように、緩衝材を設置することもおすすめします。
老化によって衰えるのは肉体だけではなく視力も同じことですから、不注意でぶつかった際に怪我に繋がってしまうような障害は可能な限り排除してください。
同じ理由で、ドアの開閉は徹底し、半開きの状態のまま放置しないように気を配りましょう。
風や衝撃によって急にドアが閉まってしまった場合に逃げることができず、犬が挟まれてしまう危険が生じるためです。
また、家電に繋がっているコードに引っ掛かって転んだり、絡まってしまったりするリスクについても考慮しておくべきです。
短く束ねたり、家電の裏側に回して犬の目に触れないようにしたりするなどの対策を行い、コードや電気に関連するトラブルに巻き込まれないように対策を進めておきましょう。
快適に感じられる温度を保つ
部屋の形状や状態から危険な障害を取り除くことができたら、今度は老犬が快適に過ごせるようになるための環境を整えていきましょう。
ここで最初に意識すべきなのは適温を保つということであり、エアコンを惜しまずにつけてコンディションを維持しやすい温度に調整することが重要です。
また、湿度にも一定の気を配ることが大切で、ジメジメとした夏場の気候は犬の体力を確実に奪いますから、この点の管理も行っておきましょう。
エアコンによる室温のコントロールだけではなく、犬の行動範囲内に日光が入りやすいエリアを設けて、室内でも日光浴をしやすい状況を作り出してください。
日光は動物にとって大切なエネルギー源の一つであり、毎日一定時間の日光を浴び続けることで免疫力向上を実現させることもできます。
日が当たる時間帯はカーテンを開き、温まりながらコンディションを上昇させられるようにコントロールしていきましょう。
足腰に負担がかからないベッドを使う
動物用のベッドには様々なタイプがありますが、老犬が使用するタイプとしては、柔らかくてクッション性が高く、反発しにくいベッドをおすすめします。
ちょっとした細菌が体に入り込んで大きなトラブルに発展することもありますから、清潔に保ちやすいベッドを選ぶことも重要なポイントと言えます。
クッションやカバーの部分を簡単に取り外せて、家庭でも洗濯ができるタイプのベッドを導入することによって、細菌の感染を予防できる確率がグンと上がります。
若い頃と比較して足腰が弱ってしまっている犬の場合には、ジャンプして寝床につく必要が無い布団へと移動させることもおすすめです。
柔らかい布団を使用すれば、布団の中で遊んだり転んだりした場合にも怪我をしにくくなりますし、温かさも確保することが可能になります。
リラックスして過ごせる環境を作るためには
これらのベースが出来上がり、愛犬にとって理想的なお部屋が完成したら、そのポテンシャルを完全に生かすことができるようにソフト面の補強も行いましょう。
リラックスして過ごしてもらうためには嗅覚に訴えることが重要ですから、アロマを焚くなどして心地よい香りを生み出し、ストレスのかかりにくい環境を整えることがおすすめです。
音からリラクゼーション効果を得られるのは人間も動物も同じですから、ほっとするような音楽を流すことも愛犬が安心して過ごすためには重要なポイントです。
できることであれば毎日散歩に連れ出すことが好ましいのですが、体調等の問題によってそれができないのであれば、窓から外の景色を見せてあげてください。
普段はあまり見かける機会が少ない景色を眺めるだけでも脳の刺激になりますし、外出する意欲を引き出すキッカケの一つになるかもしれません。
ただし、通行人の多さなどが原因で吠えたり怯えたり反応を見せた場合には、カーテンを閉めて窓から遠ざけ落ち着かせましょう。
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