犬にもある、緑内障。早期発見なら失明も防げる。
我々人間は老化と共に目が悪くなり、白内障や緑内障になります。
緑内障は遺伝によるものとも言われていますから、視力の老化が始まる45歳以降で症状が(眼圧)出ることがあります。
緑内障は視野が狭まって行き、やがては失明してしまうという病気ですが、早期ならば点眼治療で治す(進行を止める)ことも出来ます。
さて、恐ろしい眼病の一種である緑内障は、犬も罹患する可能性を持った病気であり、そのまま放置してしまうと、最悪の場合には失明に至ってしまいます。
緑内障による重大な症状を防ぐためには、早期発見・早期治療が何よりも大切ですから、緑内障の症状を知っておき、素早く治療を受けさせるための準備をしておきましょう。
犬にもある、緑内障。早期発見なら失明も防げる。
犬の緑内障はこんな病気
緑内障は高眼圧症と呼ばれることもある病気であり、眼圧が極端に上昇することによって、強い痛みを感じることが特徴の病です。
痛みの原因は視神経の圧迫であり、この圧迫は外部からの治療を施さない限り半永久的に続くことになりますから、放置すると視神経へのダメージが加わり続けてしまいます。
したがって、緑内障は早期治療が求められる重大な病気であり、治療が遅れると視野が欠けてしまったり、視力が低下したり、最悪の場合には失明に至る可能性すらあるのです。
原発性緑内障は、柴犬やアメリカン・コッカー・スパニエル、シーズーといった犬種が罹りやすいと言われており、高齢になるに連れて発症率が高まっていきます。
続発性緑内障は、白内障やぶどう膜炎、水晶体脱臼、眼内浮腫といった病気を経験した後に発生する可能性を伴うもので、反対に緑内障からこれらの病気を併発することもあります。
緑内障を発症したときの症状
緑内障には必ず痛みを伴いますから、犬が目を痛そうにしている仕草を見せたり、パチパチとまばたきを繰り返すことが多くなったりした場合には緑内障を疑いましょう。
ちなみに我々人間のかかる緑内障では痛みは感じません。
目の縁の部分に充血が見られることや、目の全体が大きく見えたりすることも緑内障の症状の特徴になりますから、日頃から愛犬の目を観察する癖をつけることもおすすめです。
緑内障によって強烈な痛みが出ると、日常生活にまで影響が及ぶようになり、運動する元気がなくなり、散歩にも出掛けたがらなくなってしまう場合があります。
人間が頭痛を起こしているときを想像すると分かりやすいのですが、何かを楽しむ余裕すら痛みによって削がれてしまうので、犬によっては食欲すら失ってしまうことがあります。
普段なら起きている時間なのに、何故だか眠っている時間が増えているというケースでも、他に疾患が見当たらないのであれば緑内障を疑ってみると良いでしょう。
外から眺めていて気付ける可能性があるその他の症状としては、“>涙の量が普段よりも多くなっているというものや、角膜が白く濁っているといったようなものもあります。
普段から結膜炎などに罹りやすく、充血することが多いという犬の場合でも、その他の何らかの症状を併発している場合には、単なる結膜炎と決め付けずに詳しい診察を受けてください。
また、白内障やぶどう膜炎に罹患した経験を持つ犬の場合、特に緑内障の発生リスクが高まりますから、これらの病気を治療した後には注意深く経過を観察していきましょう。
緑内障の治療方法
緑内障が疑われる場合、動物病院で検査と治療が行われることになりますが、視覚の問題は犬から言葉で説明を受けることができないため、複合的に様々な検査を実施します。
一般的な眼科検査のほか、眼圧検査を行うことによって緑内障特有の症状が認められるかを判断し、さらに眼底検査を実施して緑内障の有無を結論付けることが一般的です。
二日以内に発生した緑内障の場合、急性緑内障と診断され、視力を回復させられる確率も高まります。
一方で発症から五日目以降の緑内障は慢性緑内障と診断されることになり、発症から時間が経過すればするほど、視力を回復させることは困難になってしまいます。
また、原発性緑内障なのか、それとも続発性緑内障なのかにもよって治療方針は若干異なりますが、視力の回復や維持、そして痛みの除去を目指すことは変わりません。
症状に応じては経口薬が用いられる場合がありますが、いずれのケースにおいても治療の方針は変わらず、治療費は2万円前後になる場合がほとんどです。
義眼挿入によって視力が回復することはありませんが、以前と同じような見た目を取り戻せるため、飼い主にとってもストレスの無い生活を送りやすくなることでしょう。
義眼にはシリコン製のボールが使用されることが多く、安全性も高いため、義眼挿入後に犬が痛みや違和感を覚えたり、義眼が原因で何らかの病気を発症したりすることはありません。
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