お尻から血が!? 高齢犬に気を付けたい肛門腺(肛門嚢)の破裂

特集:犬の高齢化問題に向き合う

愛犬の肛門腺絞り。
大抵の飼い主は、トリミングに行った時に、してもらうだけかと思います。
でも肛門腺が溜まると大変なことに。

お尻から血が!? 高齢犬に気を付けたい肛門腺(肛門嚢)の破裂

肛門腺とは

ワンコの肛門の左右に肛門腺と呼ばれる臭腺があります。
小さな袋状の肛門嚢が形成されていて、中には分泌液が溜まるようになっています。

ワンコによっては、中に溜まる分泌液は、ドロッとしてたりサラサラだったり、色や量もまちまちです。
犬の祖先が、外敵から身を守る為に分泌液を出してしていた(スカンクと同じ)という話がありますから、とても臭いのですよね。
やがて犬が人と暮らすようになり、この機能は退化し、今では自力で排出できなくなったと言われています。

特に、家庭が飼われる小型犬・高齢犬等は自力で出せない為、溜まりやすいので、人が出してあげる必要があります。

肛門腺絞りの方法はYoutube等で見られますので、一度調べてみてください。

犬がR2D2みたいにお尻を床に擦っていたら肛門腺が溜まっている証

たまに、犬がお尻を床につけたまま、歩いているのを見たことがありませんか?
これは、お尻に違和感があるために起こす行動で、お尻の周りに毛が多くてスッキリしないとか、肛門腺が溜まっているとか炎症してしまっているケースが多いのです。
可愛らしい仕草ですけれど、実は愛犬が発しているメッセージでもあるのですね。
炎症している場合もあるので、獣医さんに診てもらう事をお勧めします。

肛門腺(肛門嚢)が溜まると破裂します


肛門腺(肛門嚢)が溜まると、愛犬から異臭がします。とても臭いやつです。

「あれ、なんか臭いな」と思ったらトリミングに連れていくか、ご自身でシャンプーついでに肛門腺絞りをしてあげましょう。

放置しておくと、やがては肛門嚢が一杯になり、それが邪魔してウンチも出なくなります。
そしてお尻の周り(肛門嚢)が膨らみ破裂します。
破裂しますと、中の分泌液と共に大量の血が出ます。
血が出ている事にきがつくと、飼い主はお尻から血(血便)が出たのではないかと焦ります。
よく拭いて、血が出ている箇所を調べましょう。

元々、肛門嚢はばい菌が溜まる場所なので、放置しておくと細菌が繁殖し、炎症しやすいデリケートな場所です。

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高齢犬は、とくに注意が必要

高齢になると、特に肛門嚢が溜まりやすくなります。
破裂しますと、程度によりますが、大きい場合は鉛筆くらいの太さの穴がお尻の横に空きます。
お尻の穴の左右にある肛門嚢ですが、大抵はどちらか一方が破裂します。
破裂しますと、大量の血と分泌液が出ます。
犬にとっても嫌な出来事で、これをきっかけに他の病気になってしまったりなんていう事もありえるので、注意したいですね。

肛門嚢が炎症・破裂した時の対処法


優しく血をふき取り、すぐに獣医さんのところに連れていきましょう。
小さな穴であれば、薬で治療します。大抵は抗生物質・痛み止め・炎症止めの薬をもらいます。
大きな穴の場合はステープル(ホッチキスみたいなもの)で穴を塞ぎますが、痛いでしょうし、犬にとっては違和感が増えるのでストレスになります。

血は2~3日は出ますので、家の中は結構床に血がつきます。
病気ではないので、大抵は食事も散歩も元気に出来るはずですが、こうならないに越したことはないので、注意したいですね。

1週間程で傷口はふさがりますが、しばらくはシャンプーやトリミングは控えた方がよさそうです。

肛門腺絞りは、月1くらいが良いようです。ご自身で出来なくても、トリミングショップや動物病院でもやってくれるので、気にしておくと良いかもしれません。

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