犬にも更年期障害がある?! 症状や治療法を知って対応しよう

特集:犬の高齢化問題に向き合う

主に40代以降の女性がかかることの多い更年期障害ですが、実はこの障害は人間特有のものではなく、老犬が発症するリスクを持つ障害でもあることをご存知でしょうか。
えー!? 犬にも更年期?なんだか可愛い気もしますが、犬にしてみれば、やっぱり大問題。
人間と互換性を持つ症状はあるのかどうかという問題や、飼い主はどのように接して治療へと進んでいくべきかという疑問を解消し、老いた愛犬との楽しい生活を送る準備をしましょう。

犬にも更年期障害がある?! 症状や治療法を知って対応しよう

犬の更年期障害で見られる特有の症状とは


人間では40代前後の女性が発症することが多い更年期障害ですが、犬の場合にもやはりメスが発症するケースが圧倒的に多く、6~7歳頃に症状が見られるようになります。
オスの犬も更年期障害を発症する可能性がゼロではありませんが、これは非常に稀であり、メスと比較すると症状も限定的になる場合が多いようです。

更年期障害は生殖機能の衰えによって引き起こされることが多いため、最初に見られる具体的な症状としては不安定な発情や、分泌液の軽減を挙げられます。
生理の際、出血する量が普段と比較して増えたり、反対に極端に減ったりする場合には、更年期障害の可能性を疑うようにしてください。

その他には、身体的な症状として冷え性のような症状や、常に微熱が続くという症状、さらに食欲不振も犬の更年期障害における特徴的な症状の一つです。
精神的な面に関しては、イライラしたような素振りを見せることが増えたり、睡眠時間が減ったりなど、人間と同じような症状を多く見ることもできます。

去勢を済ませている犬だとしても更年期障害を発症することがありますから、6~7歳前後の年齢でこれらの症状が認められた場合には、更年期障害を疑いましょう。

人間の場合には動機やめまい、頭痛といった症状が現れることが普通ですが、犬にはこのような症状が現れることはありません。
また、イライラこそするものの、うつのような症状が現れることも稀で、元気がなさそうに見えるという程度の症状で収まることが普通です。

なかなか発情期が訪れず、食欲不振やイライラなどの症状を併発するようになったなら、更年期障害を発症している可能性が極めて高いと判断できます。

犬の更年期障害が認められたらどうやって治療する?


人間の場合には、ホルモン剤の投与などによって治療を目指すことになりますが、犬の更年期障害はまだ研究段階にあるため、明確な治療法が見つかっていません。
病院で治療を行う場合には、去勢手術や避妊手術を行うことによってホルモンの分泌そのものをストップさせることになりますが、これも100%の成果を得られるとは言い難いというのが実情です。

ただし、治療法が無いからと言って放置しておくのは、犬の健康にとって決して良いとは言えません。
イライラなどのストレスを抱え込んでしまうと、ガンなどその他の病気を発症するリスクが高くなりますし、散歩などを嫌って運動不足に陥る可能性もあります。
子宮に関連する病気を誘発してしまう恐れもありますから、獣医師に相談し、そのタイミングで最も有効と考えられる治療法を選びましょう。

大切に暮らしてきたパートナーですから、去勢手術を行うことに対して抵抗を覚える飼い主の方が多いとことも確かでしょう。
しかし子宮に関連する病気を発症すると、多臓器不全など命に係わる問題に発展してしまうリスクも付きまといます。
犬のコンディションを逐一確認し、子宮の役割を十分に果たす年齢を超過したのであれば、ここを一区切りとして手術を行うことがおすすめです。

犬の更年期障害との付き合い方


犬の更年期障害には特効薬がありませんから、飼い主がタイミングを見極めて病院へ連れていき、去勢などの手術を行って対策を打つことが求められます。
特にメスの犬の場合には、6歳を超えた頃から健康面や精神面の様子をしっかりと確認し、異変を感じた場合にはすぐに検査を受けてみましょう。
病院では血液検査やレントゲンによる検査を受ける場合が多く、ここで他の病気が潜んでいないかどうかを確認することもできます。

特に病気が見つからず、更年期障害である可能性が高いと判断された場合には、治療を行った上でその後の付き合い方について考えていく必要もあります。
人間とは違い、言葉を使ったコミュニケーションをお互いに交わすことは困難ですから、引き続き様子を見続けることが何よりも重要です。

イライラした精神状態を上向きにさせることが大切ですから、リラックスして過ごせる環境を作ってあげると良いでしょう。
寒さはストレスの原因になりますから、室温の管理には十分に注意し、なるべく暖かくして過ごしやすく、そして眠りやすい環境を作ってあげることが大切です。
リラックス効果のあるアロマなどを焚き、良い香りを部屋の中に充満させることも一定の効果を生み出すため、こういった工夫も取り入れながら生活を送りましょう。

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