犬の検診はとっても大事!沈黙の臓器、腎臓病を防ぐ為に

特集:犬の高齢化問題に向き合う

犬は老化と共に、我々人間と同じように内蔵が弱ってきます。
いつまでも出で立ちは可愛いワンコなので、年齢を重ねてきても、あまり老化にピンときませんが、「ああ、我が友も年をとったものだ。」と感じた時には遅すぎることもあります。

人と同じように犬も検診が必要

我々も一年に一度、人間ドッグや健康診断に行きますが、犬もやはり検診が必要です。
大抵の動物病院ですと、犬の検診セットのような診断を受けることができます。
一般的には犬の年齢や体重によって金額が変わります。(保険適応外)

我々人間が行く検診にもオプションがあり、基本的な検診に加え、胃カメラや大腸検査などをすると、それぞれ金額が高くなっていくシステムです。
犬の検診にもいくつか種類があり、通常の検診にオプションを加えたプランなどもあります。
金額は動物病院によって違うでしょうが、6000円~7000円くらいだと思います。

大抵のことは血液検査で分かりますので、7歳~8歳くらいまででしたら、特に持病などがなければ一般的な検診で十分だと思います。
一年に1回、ワクチンの時などに一緒に受ければ毎年忘れずに出来ますね。

高齢になったら獣医さんと相談して年に2回などにすると良いかと思います。

血液検査でわかる体の状態

基本検診の中に血液検査があります
血液検査の結果は1週間程で郵送で届くのが一般的です。

血液検査でわかることは、脱水、肝機能障害、心臓や腎臓、出血、栄養失調、骨折などです。
え? 骨折まで分かるの?って思いますよね。

犬は痛みを我慢して脚が折れていても飼い主が気がつかないことがあります。
他にも泌尿器系の病気や、沈黙の臓器と言われる腎臓の機能などもわかります。
血液検査に異常があれば、そこから更に診断、治療ということになると思います。

主に検査結果は下記のような内容になります。

血漿蛋白(TP トータルプロテイン)

栄養状態や腎機能・肝機能・免疫状態を把握できます

アルブミン(ALB)

肝臓で作られる血液中のたんぱく質量

アンモニア(NH3)

増加:肝疾患

血液尿素窒素(BUN)

腎臓から排出される老廃物で、腎機能が正常に働いているか調べる

クレアチニン(CREA)・シスタチンC

腎臓から排出される老廃物で、腎機能が正常に働いているか調べる

血糖値(GLU)

血液中のブドウ糖(グルコース)濃度。太り過ぎると高くなる傾向

AST(GOT)

肝細胞・心筋(心臓を収縮させる筋肉)・骨格筋に含まれる酵素

ALT(GPT)

主に肝細胞に存在する特異な酵素

アルカリフォスファターゼ(ALKP)

胆道系の細胞に多く含まれる

ビルビリン(TBIL)

黄疸指数で肝障害によって増加

カルシウム(Ca)

増加:腫瘍・副甲状腺機能亢進症

腎臓の働きが悪くなると出る症状

・体重減少
・食欲低下 ・水を多く飲む
・色の薄い尿を何度もする ・元気がなくなる
・嘔吐の回数が増える ・口臭 ・便秘 ・毛艶がなくなる

腎臓は沈黙の臓器。早期発見が大切

腎臓は、尿を作る臓器で、体内から尿を作り出す際に、様々な老廃物を対外に排出する働きがあります。
いわゆるフィルターのようなものです。浄水器とも同じかもしれません。

それ以外にも血圧の調整や、赤血球を作ったり、骨を丈夫にさせる働きをします。
つまり腎臓機能が低下すると、体内に老廃物が溜まり、血圧の調整ができなくなり、骨が弱くなります。
これだけ聞けば怖い病気だとわかりますよね。

腎臓病には急性と慢性があります。
検診で分かるのは慢性的なものが殆どですが、タイミングが良ければ急性腎臓病も発見できるかもしれません。
老化と共に弱る腎臓の場合は慢性的なもので、腎臓の機能が元に戻ることはありません。

とにかく初期の状態で飼い主が把握することが大事になりますから、検診が欠かせないことが分かると思います。

数値を下げる為に食事療法は効果期待大

血液検査でクレアチニンやシスタチンCの上昇が初期の段階のものであれば、食事療法やサプリメントで数値が下がることもあります
血液検査の数値次第で治療法を獣医さんが説明してくれると思いますが、初期段階であれば食事療法を進められます。

食事療法は、日頃与えているドッグフードを腎臓サポート向けに変更しましょう。
他にも食事は従来のままにして、サプリで様子を見る方法もあります。
どちらも初期段階であれば数値を下げる効果が期待できます。

ドッグフードを変える場合は、いきなり変えると食べなくなるかもしれませんので、最初は従来のドッグフードに少しずつ混ぜ、徐々に量を逆転させて行き、最終的には腎臓サポー^と食品にすると良いです。


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まとめ

犬を飼うということはお金がかかるものです。
特に夏前はフィラリアの薬を買ったり、同時期にワクチンや狂犬病の注射、そして検診となれば、高額になります。
それでも、後で後悔をしない為にも検診は受けることをオススメします。

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